2019/12/3

ヘッドホンが故障したら、修理はどうしたら良いの?正しい保管方法は?など、ヘッドホンには判らない事が有りますよね。高額なヘッドホンなら、長持ちさせる工夫も知る必用が有ります。

この記事では、ヘッドホンにまつわる疑問について、判り易くお答えします。更に、製造メーカーの補修部品の保管期間や、静電型ヘッドホンは屋外に持ち出せないか等、ちょっと詳しい情報も掲載しました。

是非、最後までご覧下さい。

Q ヘッドホンを使うと頭が痛くなります。対策について教えて下さい

今回のご質問は、ヘッドバンドが頭にあたって痛む事と思いますので、それに沿った内容で回答致します。ヘッドバンドは通常、頭の大きさに合わせてバンドの長さが調整できます。

しかし長さが調整できないヘッドホンの場合は、ヘッドホンバンドを包むクッションカバーを付けて締め付ける力を緩和する方法が有ります。更にこの方法は、ヘッドバンドを傷つけない効果もあるので、大切なヘッドホンなら助かりますね。

それでは、おすすめのヘッドホンカバーを、3つご紹介致します。


(1)いろいろなメーカーに対応した万能モデル。2色セットのカバーです。


ヘッドフォン用ヘッドバンドクッション ヘッドバンドパッド Bose, AKG, Sennheiser, Sony, Beats, Audio-Technica 等対応用 (ブラック+グレー)セット

出典:Amazon.co.jp


(2)イヤーパッド部に特化した洗えるヘッドホンカバーです。2つセットでこのお値段はお買い得です。


Geekria ヘッドホン カバー 織物 防塵 洗える 4cm – 8cm の イヤーパッド 小型 ヘッドセット 用 (2ペア)

出典:Amazon.co.jp


(3)イヤーパッドとセットになった製品です。


Geekria イヤーパッド + ヘッドバンド カバー SONY MDR-HW700, MDR-HW700DS ヘッドホン 専用 交換 用 ヘッドホンパッド イヤークッション セット

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Q ヘッドホンの故障や修理について教えて下さい

ヘッドホンの故障や修理
ヘッドホンを使っている時に、急に故障したら困りますよね。特に、高額なヘッドホンやお気に入りのヘッドホンなら、ショックですよね。では、ヘッドホンの故障箇所と修理について、ご説明致します。

ヘッドホンの故障

ヘッドホンの主な故障(破損)箇所
  1. コードとその(プラグ等)接合部
  2. イヤーパッド
  3. ドライバ
  4. 電子回路(送受信回路、DSP等)、バッテリー

ヘッドホンの故障(破損)で最も多い箇所は、コードとその(プラグ等)接合部です。故障の症状として、音が(時々)聞えなくなったり、ノイズが混じったりします。

次いで、イヤーパッドの破損(破れ、摩耗等)です。これは、正常に使っていても起こる症状ですので、ヘッドホンの購入前に、その機種に適合した市販のイヤーパッドの補修品が無いか、確認しておきましょう

ドライバの故障は、一般的には少ないです。しかし、コンデンサ(静電)型ヘッドホンは、塵や埃を吸い付ける性質が有る為、使う時は、袋に入れる等して防塵対策が必要です。

Bluetooth等の無線型ヘッドホンは、送信機と受信機、バッテーリーを持つ為、有線型より故障には不利と言えます。バッテリーには寿命が有るので、特に充電型は交換代を購入前に確認しましょう。

エコ男爵エコ男爵

品質を考えるなら、ロングランの機種を選んだらいいですよ。(小さな声で言うと)見えない所を黙って改良する事が有りますから。

ヘッドホンの修理

ヘッドホンの修理_半田付けの図

簡単なイヤーパッドの交換程度なら、ご自分でできると思いますが、修理についてはメーカーに依頼する(ご自分でやらない方)が良いでしょう。その理由は、完全に直らない事や、故障が再発する恐れがあるからです。

最も故障が多い、断線{コードとその(プラグ等)接合部}の修理代は、パーツ代(コード、プラグ等)に加え、技術代や出張代が発生します。故障の程度で料金は異なりますが、数千円から数万円程度です。

ドライバ部や、電子回路(送受信回路等)の修理は高額となる事が有りますので、事前に見積もりをとっておいて下さい。その理由は、修理代が高すぎると思ったら、修理をやめて、買い換えた方が良い場合が有るからです。

和の子和の子

修理の依頼方法は、どうするの?


ミスターエポックミスターエポック

購入したお店か、製造メーカーのサービス部門へ連絡したらいいよ。郵送する場合は、壊れない様に、梱包についても尋ねた方がいいよ。

<古いヘッドホンは、修理が出来ない事も!>

製造メーカーの補修部品には、保有期間が定められていて、生産終了から7年~10年程度が殆どです。中には、20年もの保有期間を持つ高級へッドホンメーカーも有ります。

つまり、古いヘッドホンは、補修部品が無い為、修理が出来ない(依頼先に断られる)事も有るのです。ヘッドホンが古くなったら、故障した場合(買い換えるか?)を、考えておく必用が有ります。

Q ヘッドホンを長持ちさせるコツについて教えて下さい

 ヘッドホンを長持ちさせるコツ

ヘッドホンの保証期間を延長する
  1. 購入時に保証期間を延長する
  2. 取扱い方法:特にコードとその(プラグ等)接合部は要注意、イヤーパッドにはカバーを使う
  3. 保管方法:高温多湿・直射日光を避ける、ヘッドホンスタンド(又はヘッドホンハンガー)を使う

さて、大切なヘッドホンを末永く使う為には、どうしたら良いのでしょうか?ここでは、ヘッドホンを長持ちさせる3つの方法についてお話しします。

購入時に保証期間を延長する

ヘッドホンの保証期間を延長する

ヘッドホンの通常の保証期間は、大半は1年ですが、追加料金を支払って、保証期間を延長する事が出来る場合が有ります。中には、保証期間を僅かに過ぎて故障した、残念なケースも有ります。

高額なヘッドホンなら、延長保証に加入した方が良いかも知れません。

取扱い方法

当たり前かも知れませんが、日頃の取扱いには、注意しましょう。前述の様に、ヘッドホンの故障箇所は、コードとその(プラグ等)接合部が最も多い為、コードとその付け根には、強い力を与えない様に注意しましょう。

またコンデンサー(静電)型ヘッドホンは、精密な構造なので、強い衝撃(落下等)を与えない様に注意しましょう。

イヤーパッドは、使っていくうちに汚れたり、破損や摩耗したりしますので、市販のイヤーパッド・カバー(サイズに注意下さい)を購入する方法をお薦めします。ついでに汚れもブロックしますので、一石二鳥ですね。

保管方法

保管方法_ヘッドホンスタンドの画像

高温多湿の場所や、直射日光が当たる場所を避けましょう。押入れに入れっぱなしにすると、高い湿度で、ドライバの故障や、イヤーパッドが変形する事が有ります。またコンデンサー(静電)型ヘッドホンは、塵や埃を吸い寄せる為、袋に入れて保管しましょう。

ここで、湿度を一定に保ち、埃も付かない取って置きの保管方法をご案内しましょう。
それは、保管庫(ドライキャビ等の名称)に保管する方法です。保管庫を使えば、ヘッドホン以外に、カメラやビデオテープ等も何時までも保管できます!



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また、ペットや小さな子供さんがいるご家庭なら、高い場所の保管や、ヘッドホンスタンド(又はヘッドホンハンガー)を使って、ヘッドホンを守ることをお薦めします。ヘッドホンのワンダーランドには、ヘッドホンスタンドの記事も有りますので、是非こちらもご覧下さい。

ヘッドホンスタンドのおすすめは?メリット選び方メンテ方法を解説

コンデンサー(静電)型ヘッドホンは屋外に持ち出せませんか?

引用先:YouTube)stax

音が良いコンデンサー(静電)型ヘッドホンを持ち出して、自動車や飛行機等の屋外でも聞いてみたいですよね。結論から言うと、

コンデンサー型ヘッドホンを屋外に持ち出すと、故障する可能性が非常に高い為、残念ですがお止め下さい

となります。私は、あるカーオーディオメーカーの音響技術者に、「コンデンサー(静電)型のスピーカーを、なぜ使わないか?」と尋ねた事が有ります。その答えは、「耐久性が無いから、すぐ故障するでしょうね」との回答でした。

簡単に言うと、コンデンサー(静電)型ヘッドホンは、極めて薄い振動板を使っている事や、構造的要因から、ダイナミック型に比べて耐久性が低いのです。

もっとも、屋外の環境は、大抵は周囲音が聞えますので、音が良い密閉型のダイナミック型ヘッドホンの方が、ふさわしいかもしれませんね。

Q ヘッドホンの構成部品について教えて下さい

<ヘッドホンの構成部品の名称について(有線)>

ハウジングやドライバなどヘッドホンの構成部品の名称は、誰が定めているのでしょうか?日本では通常、JEITA(電子情報技術産業協会)が定める規格によって、下図の様に決められています。

ヘッドホンの構成部品の名称

引用先:JEITA(電子情報技術産業協会)RC-8141C「音楽観賞用ヘッドホン」
 

多くのオーディオメーカーが加盟しているJEITA(電子情報技術産業協会)では、ヘッドホンの構成部品(有線)の名称は、上図の様に定められています。それでは、主な部品についてご説明致します。

ドライバ

音を発生する最も重要な部品で、メーカーによっては、「ヘッドホンユニット」と呼ぶことも有ります。駆動方式は、過去には圧電方式等が存在しましたが、今は殆ど姿を消し、現在は、「ダイナミック型」と「コンデンサ(静電)型」の2つでほぼ100%近くを占めます

2つの駆動方式では、ダイナミック型が一般的で、大量生産に適している為、圧倒的多数を占めます。少数派のコンデンサ(静電)型は、高額と成りがちですが、音質が非常に良いと言う特徴が有ります。

2つの駆動方式の違いを表に纏めましたので、ご覧下さい。

駆動方式 ダイナミック型 コンデンサ(静電)型
駆動原理 ダイナミック型スピーカーとほぼ同じ構造。
磁石の作る磁界の中で音声電流が流れると、
ボイスコイルに磁力が発生し、コイルに
取付けられた振動板を振動させ音を発生します。
電極の近くに薄い導体の膜(振動板)を配置した構造で、
振動板に直流の高電圧(バイアス電圧)をかけます。
そして背極に音声の交流電圧をかけ、静電力の変化で
振動板を振動させます。
音の特徴 低音がパワフルで、コンデンサ型より高い
音圧迄、再生出来ます。
駆動回路の強化や、振動板を工夫(平面型、
素材や直径を変更等)して様々な音が作れます。
細かな音迄表現し、じっくり音楽に浸れます。
振動膜は、数ミクロンの薄い膜の為、低歪で且つ
周波数特性に有害な分割振動が起こり難いです。
弱点は、低音が高い音圧迄出せない事です。
採用メーカー (多くのメーカーで採用されている為、
メーカー名は省略します)
STAX、HIFIMAN、Sonoma Acoustics、KINGSOUND、
MrSpeakers

ハウジング

ハウジングは、ドライバや電子回路等を支える土台の役目が有ります密閉型やノイズキャンセル型ヘッドホンでは、内外の音を遮断する役目も有ります。主な素材は、樹脂や金属(アルミ等)、木材が使われます。

ノイズキャンセリングヘッドホンを徹底調査 おすすめの4選

ハウジングによる音質的な効果は、素材と容積によって残響音や音色に影響します。一般的に金属は余韻を少なくし、木材は余韻を出す傾向です。

イヤパッド

イヤパッド

快適に装着する役目と、内外の音を遮断する役目が有ります。耳(頭)に直接あたる箇所なので、快適性と清潔性(汚れが付きにくい)も求められます。

イヤパッドの中身は、ウレタン等が使われ、これを包む素材は、ビニール、皮やベロア(下記、※)等です。イヤパッドが与える音質的な効果は、装着性が良いと低音の音圧が高い傾向の様です。

※ベロアとは:ニットで作られたベルベット(ビロード)の様な表面に微細な毛が生えている布生地です。

もし、イヤパッドが破れたり汚れたりしたら、次の様な便利なヘッドホンカバーが有ります。探される場合は、イヤパッドのサイズに注意しましょう。


コード(有線)

ドライバの種類によって、有する線が異なります。ダイナミック型は、音声信号を伝える線のみですが、コンデンサ(静電)型は、音声信号の線に加え、バイアス電圧という高電圧を加える線が有ります

素材は、銅線、銀線、錫(メッキ)線が代表的です。コードが音質に与える影響は少ないですが、高級なヘッドホンになれば、線の素材による音の影響が微妙に影響します。

なお、コードが長すぎる場合は、足等で引っかけ易くなるので、軽く巻いてマジックテープ等の布バンドで止め、必用な長さで使用しましょう。

 

おわりに

ヘッドホンは、スピーカーと違い、設置場所を確保しなくても、いろんな場所で聞ける、便利な製品ですね。通勤通学、旅行中でも気軽に聞けて、楽しくなりますよね。

この記事には、そんな愛着のあるヘッドホンを長持ちさせるコツや、故障時の対応などについて、纏めました。一般的に高級ヘッドホンを扱うメーカーほど、修理等のアフターサービスで、親身に相談に乗ってくれる事が多い様です。

最後まで記事をお読み頂き、有難う御座いました。