2019/11/23
現代は周りに騒音が満ち溢れており、落ち着いて音楽を聴ける場所が少ないと思いませんか?飛行機等、騒がしい環境に居ると集中できないですよね。そんな周囲の音を低減して音楽に没頭できる製品が、ノイズキャンセリングヘッドホンです。
この記事では、ノイズキャンセリングヘッドホンを徹底調査し、ノイズ低減効果が十分にあり、音質的にも納得がいったおすすめのノイズキャンセリングヘッドホンを4つ厳選しました。その結果、ソニーとboseで3機種を占めました。
更に、ノイズキャンセルヘッドホンが判らない方の為に、選ぶコツや仕組みについても解説しています。それでは、確認していきましょう。
ノイズキャンセリングヘッドホンを選ぶコツ
- 遮音性
- 音質
- 装着感
- 携帯性(持出す場合)
ノイズキャンセリングヘッドホンを選ぶコツは、重視するポイントを絞り、できればお気に入りのメーカーから選んで下さい。重視するポイントは、上表の4つです。お気に入りのメーカーを上げた理由は、音質の好みからです。
例えば、屋外で長時間使用したい場合は、「携帯性」に優れ、「装着感」が良い製品に絞ります。全てのポイントを重視したい場合は、一般的には、最高グレードの製品を選ぶ方が無難です。
安く買いたい、コスパが良いものが欲しいなら、販売促進のキャンペーン製品や、中古品がお得です。
それでは、4つのポイントについて、説明していきます。
遮音性
- ヘッドホンの外部、内部マイク
- ノイズキャンセル回路の処理能力
- イヤーカップ、イヤーパッド
遮音について、少し技術的なお話しを致します。ノイズキャンセリングヘッドホンの遮音性を実現するには、上表の3つの要素が有ります。
高級機ほど、これらの要素が高度に揃っており、遮音性に優れています。安価な製品は、コストの制約から(例:内部マイクを持たない等)、高級機より遮音性が低くなりがちです。
遮音性が高いかどうかの判断は、個人の感覚差や、使う環境(周囲音の種類等)によって変化する為、意外と難しい様です。
遮音効果が特に高かった製品として、SONY WH-1000XM3 、BOSE QuietComfort 35 wireless headphones II 、Skullcandy Crusher ANC がお薦めです。
音質
ノイズキャンセリングヘッドホンは、ヘッドホン本来の信号と、周囲音の逆相信号が重なった形で再生される為、通常のヘッドホンに比べ、音質的には不利な条件です。余計なノイズが発生したり、本来の信号再生に悪影響を与える事が有ります。
前述した様に、ノイズキャンセリングヘッドホンはマイクや遮音処理回路が必用な為、オーディオ的に満足する製品は、どうしても通常のヘッドホンより高額となります。
高音質を求めるならば、販売価格が、最低2万円~3万円(定価、2019年11月現在)以上の製品から選定した方が良いでしょう。また、多くのメーカーで、ノイズキャンセリング機能が加わっても、”そのメーカーのヘッドホンの音”は踏襲している様です。
装着感
これはヘッドホン全般に必用な選定条件です。掛けた時に、適度なホールド感があるヘッドホンが良く、耳の圧迫感やズレが無いか、確認しましょう。
今回選んだノイズキャンセリングヘッドホンは、どれも装着感が良好でした。しかし、感触には個人差が有ります。もし、ピッタリの装着感を求めたいならば、ご面倒ですが、大型電気店や楽器店等で試聴(確認)した方が確実です。
携帯性(持出す場合)
飛行機や電車など、鞄に入れて簡単に持ち出したい場合は、折りたためて軽量なヘッドホンが良いでしょう。特に重量は、性能(遮音性、音質)とのトレードオフですので、軽さを優先すると性能が低下しますし、性能を優先すると重くなる傾向です。
おすすめのノイズキャンセルヘッドホン 4選
それではここで、人気が有って、遮音性・音質・装着感に満足した製品を、4つご紹介致します。
SONY h.ear on 2 Wireless NC WH-H900N
引用先:YouTube)ソニー公式サイト
<お薦めポイント> 音質、遮音性、デザインの三拍子が揃った製品。最大再生時間が長い(30h)。
今回試聴した中では、音質、遮音性、デザインの三拍子が揃って良いと感じたヘッドホンです。デザインは、スタイリッシュで洗練されており、色は5色から選べます。この点は、ユーザーの広い要望を考えた製品ですね。
<遮音性> 遮音効果は高いと感じました。騒音を最大限にカットしたければ、同社のWH-1000XM3等に軍配が上がりますが、本機は通常の使い方ならば、十分な遮音効果が有ります。
<音質> 明るく明瞭で、ローエンドの延びが有ります。周波数特性(F特)は、とても良いバランスなので、音楽のジャンルを選ばないでしょう。さすがSONYのヘッドホンと思わせる、綺麗な音の作りです。
<装着感> 比較的良い方ですが、長時間の使用には耳の圧迫感がやや気になります。
<機能など> 重低音をブーストして再生する「EXTRA BASS」、高音域をクリアに再現する「DSEE」機能が有ります。また最大再生時間が30時間もあるので、長時間の使用が可能です。
接続タイプ / 構造 | ワイヤレス / 密閉 |
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最大再生時間(ワイヤレス)/重量 | 30h / 251g |
主な機能 | EXTRA BASS、DSEE |
公式サイト | SONY_WH-XB900N |
※リンク先からはブラウザの戻る(←)ボタンでこのサイトに戻れます。
もう少し安く買いたいなら、ノイズキャンセル効果は落ちますが、コスパ抜群の弟ぶんのWH-CH720Nをお勧めします。色は、ブルー・ホワイト・ブラックの3色です。
ソニー(SONY) ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン WH-CH720N: ノイズキャンセリング搭載/Bluetooth対応/軽量設計/マイク搭載/外音取り込み搭載/360Reality Audio対応/ブラック WH-CH720N B 小
BOSE QuietComfort 35 wireless headphones II
出典:Amazon.co.jp
<お薦めポイント> 遮音性は非常に高い。耐久性を考えた設計でアウトドアにも使える。
BOSEのお洒落なノイズキャンセリングヘッドホンです。BOSEでは、NOISE CANCELLING HEADPHONES 700 が有名ですが、この機種は700の基本を押えた製品で、コストパフォーマンスが高い為、選びました。色も3色から選べます。
<遮音性> 非常に高く、僅かに外部の音が聞える程度です。BOSEのノイズキャンセリング技術は非常に高度だと思います。
<音質> 音質は、押し出しが有る低音に、明るい高音という感じで、クラシックよりロック(ボーカル)系の音楽に適した感じです。
<装着感> 耳をすっぽり包みこむので、良好な方です。
<機能など> アプリで本体をコントロールできる「BOSE AR」や、「3モードのノイズキャンセリング」等、機能は豊富にあります。イヤーパッド等に耐久性を考えた設計ですので、電車や飛行機等のアウトドアにもタフに使えそうです。
接続タイプ / 構造 | ワイヤレス / 密閉 |
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最大再生時間(ワイヤレス)/重量 | 20h / 234g |
主な機能 | BOSE AR、3モードのノイズキャンセリング |
公式サイト | BOSE QuietComfort 35 |
Skullcandy Hesh ANC
<お薦めポイント> 非常に明瞭且つワイドレンジな音で”鳥肌が立つほどの重低音”が感じられる。
Skullcandy Inc.(スカルキャンディー社、2003年設立)は、米国のヘッドホンやイヤホン等を製造・販売する会社です。この業界では、米国では有名で、全米で販売数量がNo.1 を記録した製品も有ります。
<遮音性> 遮音性は高いです。外部音を測定し、適正な遮音性を実現する高度な遮音技術が搭載されています。ある口コミには、中帯域(声等)が聞えるコメントがありましたが、私にはWH-1000XM3 と遜色ない遮音性と感じました。
<音質> 非常にワイドレンジで、ローエンド迄伸びています。高域も程よくバランスしていて、明瞭な音を出すヘッドホンです。
<装着感> イヤーパッドのクッション性は良く、長時間の使用でも疲れにくい設計です。映画の鑑賞等に楽しめそうです。
<機能など> Skullcandy独特の忘れ物防止機能が有ります。「Tile」というアプリを使って、ヘッドホンを紛失した際に接続が切れたおおよその場所を追跡します。
また、最大再生時間は22時間も有るので、充電を気にせず使えそうです。
接続タイプ / 構造 | ワイヤレス / 密閉 |
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最大再生時間(ワイヤレス)/重量 | 22h / 228g |
主な機能 | アクティブノイズキャンセリング、センサリーベース |
公式サイト | Skullcandy Hesh ANC |
SONY WH-1000XM4
出典:Amazon.co.jp
<お薦めポイント> 遮音性、音、装着性がトップレベルのノイズキャンセリングヘッドホン。
ソニーのノイズキャンセリングヘッドホンでは、最高のグレードで、人気が高い製品です。1000Xシリーズの4代目で、ソニーの熱意が感じられる製品です。
<遮音性> 遮音性はトップレベルで、周囲音が怖いぐらい殆ど聞えません。「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と、更に性能を上げた内蔵DACとアンプとの効果が、強力な遮音性を実現したのでしょう。XM3に比べ、人の声帯域の遮音性が更に向上しています。
<音質> 音のバランスはとても良く、厚めの低音に綺麗な高音と言ったバランスです。音場感も有り、フルオーケストラでも一つ一つの楽器の再現性が高い様です。オーディオ専用としても使えそうです。
<装着感> ソニーでは、1000Xシリーズの代を重ねる毎に、装着性の向上を図ってきました。イヤーパッドがソフトで、適度にホールドされ、長時間の装着でも疲れません。
<機能など> 最高の遮音性を実現する「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」、アプリで本体をコントロールできる「Headphones Connect」等、豊富です。また最大再生時間が30時間もあるので、長時間の使用が可能です。
お値段はやや高めですが、抜群の遮音性能や、高音質、優しい装着感、多機能さを考えると、お薦めの逸品です。
接続タイプ / 構造 | ワイヤレス / 密閉 |
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最大再生時間(ワイヤレス)/重量 | 30h(NC ON時) / 254g |
主な機能 | ノイズキャンセリング特性の最適化「NCオプティマイザー」、 |
公式サイト | SONY_WH-1000XM4 |
遮音の原理
ここでは、ノイズキャンセリングヘッドホンの遮音原理について知りたい方の為に、簡単に説明致します。
遮音方法は、2つの方法を組合わせて行ないます。周波数の中低域の遮音については、電気的に行い(アクティブノイズキャンセリング)、中高域の遮音については、物理的に行い(パッシブノイズキャンセリング)ます。
周波数帯域によって遮音方法を分けている理由は、一つの方法で全帯域を遮音する事が難しいからです。電気的な方法は、周波数が高くなるほど、回路処理が間に合わなくなります。物理的な方法では、低音を遮音する事が困難です。
なるほど、これらの欠点を補う様に、2つの方法を組合わせて全帯域で遮音しているのですね。
電気的な遮音は、ヘッドホンの外部マイクが周囲音を集め、その逆相の波形を再生して、中低域の周囲音を打ち消します。また、物理的な遮音は、イヤーカップやイヤーパッドの構造・素材を工夫する事によって、中高域の周囲音をブロックするのです。
電気的な遮音処理をしたら、音楽が消えたりしないの?
簡単に言うと、一般的な方法は、一旦ノイズも再生音(音楽等)も両方とも消して、そこに改めて再生音を追加してやると考えれば良いかな。
こう考えると、周囲の音を遮断し、ヘッドホン本来の音を高音質に再生する事って、結構高度な技術が必用なのですね。
【 ちょっと寄り道・・ノイズキャンセリングヘッドホンは、近所の騒音対策に使えるか?】
「周囲の騒音対策で、勉強等の用途にノイズキャンセリングヘッドホンが使えるか?」と言う質問を受ける事があります。
結論から言うと、
「短時間なら問題無し」 です。私も周囲が喧しい時に、ノイズキャンセリングヘッドホンを使う事が有ります。しかし、長時間の装着は頭が痛くなる為、あくまで一時的な使い方となります。
騒音対策は、本当に難しいですよね。(x。x)
おわりに
如何でしたか。私はこれまで、古いノイズキャンセリングヘッドホンを使っていましたが、音は普通で、何より遮音性がもの足りないと感じていました。
ここで紹介したノイズキャンセリングヘッドホンは、オーディオ的にも満足がいき、更に遮音性が高いものを選びました。びっくりするぐらいの遮音性に驚かれた方もおられると思います。
更に音声の信号処理技術については、進歩を感じました。ノイズキャンセリングヘッドホンで、快適な生活が手に入る事を願っております。
最後までお読み頂き有難う御座いました。